委員会での採決の有様を見ていた一体何人が、何の決がいつ採られたかを判別できただろう。国の一大時が決定づく瞬間は何時なのかと、少なからず緊張して見ていたはずなのに、与野党双方が議長席に殺到している様は、ある種、滑稽に見えませんでしたか。
果たして国会議事堂前をはじめ、各地で法案成立反対デモを行った人々はどうだっただろう。瞬間的に怒りややりきれなさはあっても、権力に負けたという決定的な敗北感はそれほど漂っていなかったのでは。
成立手続きさえすればどんなことでも通るという与党的感覚と、その手続きをともかく阻止することが目的化している(ようにしか見えなかった)野党のやっていることはどちらも同じ感覚で古い。あんなふうに手続き至上主義を振りかざす奴は未だ企業の中にも居たりするけど。
しかし今や「手続きを踏まない個人が何を言ってもしょせん仕方ない、要は組織の力と数が物をいうのだ」なんていう感覚の持ち主にはウンザリ。
形式にこだわらずひとりでも本当のことを言おう。「わたし」がおかしいと思うなら堂々と声を上げよう・・同じ気持ちの人がいたら一緒にもっと大きな声にしようよ・・・・それこそが今という時代の感覚、感性なのだと思う。
次はその感性をキラキラした一時の破片で終わらせてしまうことなく成熟した理論に変えていく知力を持ってはどうだろう。反対派も賛成派も感覚的なもの言いはそろそろ終えて、諦めずに識ろう、学ぼう、考えよう。ひとりひとりが日本の主権者。
自身も含め市民層よ、もう一段、賢くなろう。