浜矩子講演会 昔、ばりばりの文系人間が(高名な教官である)、「我々は経済学のような金儲けを指南する学問をしているわけではない」とまるで見下したように放った言葉が、どこかにしつこくこびりついていたが、この講義で見事に剥がれ落ちた。浜矩子といえば、一貫したアベノミクス批判をしている人、紫いろのヘアカラーをしている人、前大阪知事と戦っていた人、という印象だけを持っているひとが多いのではないだろうか。11月19日に開講した講義の最後に彼女はこう言った。「経済は人を幸せにするためにある人間だけの営みだ。人のために泣けない人には真の経済活動はできない」。90分中には、さすがに鋭い現状分析やこの暗闇のような状況を拓くためのヒントなど中身の濃い話がたくさんあった。そのすべては中々紹介できない。やっぱり文字を尽くしても直声をそれぞれの耳で聴くライブには勝てないので。それにしてもあらためて「知らないままでいることは恐ろしい」と実感。(11月19日 メルパルク名古屋にて開講)