絵とき2※この講座は終了しました。

絵解は仏教とともに日本に伝わり、近代まで広く民衆に親しまれました。貴族や知識層に向けた難解な経典などとは異なり、絵解き師たちが独自の語り口で、釈迦の伝記をはじめ、寺社縁起、高僧伝や合戦に至るまであらゆる題材を絵を見せながら語りました。聴衆を退屈させずに引き込むためにはさまざまな工夫もなされたことでしょう。また聴き入る人々はさまざまにイメージを膨らませてその世界を味わったことでしょう。絵解きを知ることは仏教を語り継いできた人々の歴史を知ることでもあり、かつての日本人の暮らしやその考え方を知ることでもあります。また絵解きは芸能の側面も併せ持ち、中世には専門の芸能者として「絵解」が登場。近世に地獄・極楽を語る熊野観心十界図を用いて活躍した熊野比丘尼は、絵解き文化の代表的な担い手でした。 講座では、日本の絵解の中心として、古代から現代まで生き続けている「聖徳太子絵伝」の絵解を中心に、その世界の面白さと豊かさをわかりやすくレクチャーします。また、安城歴史博物館で開催中の「まねる/うつす/つたえる」伝で復活する最大傑作の本證寺聖徳太子絵伝(十幅)の絵解き公演(10/9)についてもご案内します。講師は名古屋大学文学研究科人類文化遺産テクスト学研究センター教授・阿部泰郎氏。10月4日(火)14:00~15:30、アイエムワイ会議室、1回3,000円。詳細チラシ➡絵解き