九州の仏像~霊峰英彦山 神仏のかたち(2017年9月15日)

九州歴史資料館学芸員の井形進先生を迎えての特別講座を開講しました。とかく奈良・京都方面ばかりに目が行きがちな仏像ですが、各地に生きた人々がそれぞれ大切に信仰してきた仏像のいわくいいがたい魅力を紹介する機会を得てみたいと思っていました。念願かない今回は九州の仏像です。
 講義では、現在でも神の山として尊崇されている英彦山をテーマに、最近になって分かってきた興味深い「神仏共生のかたち」がたくさん紹介されました。
特に印象的だったのは、明治の廃仏毀釈で壊滅されたと思われていた仏像や仏教信仰が、実はちゃんと息づいていたという事実。廃仏毀釈の大波を信仰者たちとともに生き抜いた、統一新羅時代の影響を受けたと思われる美しい如来立像もも映像で見ることができましたし、英彦山神宮山内の随所に仏教的な文物(梵鐘など)が残されているとのこと。仏にも神を感じ、神に仏を見てきた人々の想いのかたちなのかもしれません。三つの峰がある個性的な姿の英彦山。行ってみたいな。