『浄瑠璃物語』は、三河矢矧(やはぎ)の長者の娘、浄瑠璃姫と牛若(若き日の源義経)との恋物語…
として人形浄瑠璃文楽の元ネタにもなっていますよね。
「浄瑠璃物語」を伝える本はいくつかあり、大まかな内容は似ていても実は大きなふしぎな違いがあるのだとか。
中でも特に華やかな絵とともにつづられた「岩佐又兵衛風古浄瑠璃絵巻群」は全長約12mという圧巻ものです。
不思議なバランスを保った姿勢の人々、青い袴の浮かれ男、顔がやけに大きい人物像、目を奪うような豪華な色づかい…なんじゃこりゃ~面白すぎる!
 でも…深谷先生によれば…「絵だけに目を奪われることなかれ」。
絵とともにある一見地味な詞章の方を読み解くと、
「浄瑠璃物語」が時代を経てどんなふうに当世の人の心を掴んで
伝えられてきたかという、本来見えざる伝承の足跡が少しずつ見えてくるのだそう。
詳細までには中々たどり着けませんでしたが、ひとつだけ妙に納得してしまった。
物語も芸能も受け手があってはじめて成り立つものなんだ、と。
 それにしても、12mの絵巻を詞章とともに丹念に調べていく研究はとてもとても根気が要るものだと思いますが
おかげで、知らなかった世界や確かに存在していた出来事をポイントを絞ってもらいながら覗き見ることができます。
かなり贅沢な時間です。
そんなこと知ったって明日の生活に於いて何の得もないし、どうだっていいじゃんと思わない方、
この講座は5月から再開予定です。さらに深くこのひとときをご一緒に愉しみませんか。
(浄瑠璃物語の世界~人情浄瑠璃文楽のルーツ 講師は早稲田大学演劇博物館招聘研究員・深谷大先生)