創企舎ソフィで「地球科学講座」を長く開講している名古屋大学大学院の道林克禎教授が新著『目指せマントル! 地球を掘る地質学者の冒険』(岩波書店科学ライブラリー)を今春に上梓。
 地球という惑星を理解するための要、地球深部の「マントル」掘削を目指して挑み続ける研究者、現在進行形の格闘記である。陸上に露出した岩石の調査から、深海掘削計画へ、実際の潜航調査へと次第に進んでいく様がエピソードも交えて明快に語られている。筆致はとても楽しそうで明るい。けれどそれは逆に語られなかった険しさ、度々の忍耐や勇気の大きさを想像させる。「先生の講義を聞くと元気になる」という受講生評の理由をあらためて納得。後に続く科学者の方々にはきっと励みになるだろうし、「結果が出ないことに人生を費やしていいのだろうか」という要らぬ煩悶をしがちな、私のような自称文系人間に勧めたい、いや読ませたい一冊。
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