「庭屋一如」。中村昌生先生がこの日の講義で力を込めて語られた日本建築家としてのひとつの答え。日本人が暮らしを形にする上で一貫して大事にしてきた思想だという。家という建物と庭という自然とが両方静かに溶け合っているお寺や日本家屋をを訪れると何かしら落ち着くという人は現代でも多いと思う。「和風と言っても形だけではだめだ、そこにある目には見えない思想を伝えなければ真の伝統が断ち切れてしまう」。80歳を超えてなお日本建築の美と技の妙を追究しつづけている先生の直声のメッセージは迫力のレベルが違った。(9月28日、10月19日に開講)。